二月の勝者3巻のあらすじと感想:手に入れたいのは「学歴」だけですか?

「二月の勝者」第3巻を読みました。中学受験の漫画です。

今回の気になったキーワードは「手に入れたいのは『学歴』だけですか?」。

同僚の先生が保護者に質問するときの言葉です。

・中学受験をしなくても公立中学に行けます。

・受験しなければ塾代はかかりません。

・公立中学から公立高校に進み、そこで初めて塾に通った方が費用が安い。

それなのになぜ中学から私立に通わせたいのか。

手に入れたいのは「学歴」だけなのか、とのことです。

私立中学に進学した場合、塾に行かずに大学受験も狙える

ちなみに私立学校の場合、大学受験を目標にカリキュラムが組まれているため、塾に通わず大学受験をすることも可能ではあります

その場合、公立中学+塾から公立高校+塾の場合と、私立中学+私立高校とを比べると、若干費用差は縮まるとは思います。

▼2巻のあらすじと感想です。中学受験は子どもへの「課金ゲーム」だ、という強烈なセリフが出てきました。

二月の勝者2巻のあらすじと感想:中学受験は「課金ゲーム」です

二月の勝者3巻のあらすじと感想:手に入れたいのは「学歴」だけですか?

 私立の一貫校に通って驚いたことの一つに、ピアノを習っているクラスメート(男子)が多かったということがあります。彼らは中学受験塾に通いながらもピアノも習い続けており、中1の生徒も高校生に混じって吹奏楽部で見事に演奏していました。また、鉄道研究部に入った友人の話は面白く、夏休みにそれぞれ一人で日本中を旅行している彼らは大人っぽく感じました。

また、あるとき、クモの巣に引っかかった青い蝶をクラスメートが逃そうとしていると、帰国子女の生徒が「やめなよ、かわいそうじゃないか」と後ろから声を掛けている場面に出くわしました。彼が「かわいそう」と言っているのはクモに対してでした。クモが餌を食べられなくなることに対しかわいそうと言っていたのです。当時私は中1でしたが、その考え方の違いに衝撃を受けました。

とまあ色々な生徒がいました。

中高一貫校は高校3年生(内部では6年生と呼ぶことがある)までが一緒の部活動を行うことが多く、そんな先輩たちの言動や受験結果に刺激を受けます。ちなみに今でも覚えている担任の言葉があります。それは入学後、一番最初の授業で、多くの保護者も参観に訪れていたときでした。

「さあ、みなさん。センター試験まで70か月を切りました」

保護者の間からどよめきが聞こえてきたのを覚えています。

中高一貫校ならではですね。

以下、3巻のあらすじです。

主人公が働く桜花ゼミナールでは生徒の成績によって3クラスに分かれています。黒木は一番下のクラスは応用問題ではなく基礎を中心にやらせると言います。むしろ応用問題を捨てるという考え方です。

子どもたちはそれぞれ将来の夢を持っていますが、その夢を志望校選びの理由付けにしてはいけないと言います。子供は裏切る、言うことを真に受けてはいけないとまで言います。

佐倉は甥っ子たちと出かけた科学館でフェニックスの先生(灰谷)と出会います。灰谷は黒木の元同僚ですが、黒木は平気で子供を裏切る人間だと言います。また、子どもは夢ではなく偏差値の高い学校を目指すべき、高ランクの大学に進学することは選択の幅が広がると言います。

黒木は桜花ゼミナールの社長と繋がりがあることが判明しました。何者なのか、未だに分かりません。

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