放課後の居場所はどこ?

子どもが保育園に通っているときは、残業しても夜8時まで預かってもらえました。

はっきり言って保育園はかなり手厚いです。

共働きの保護者にとって、近所に子どもを預かってくれる祖父母がいない場合は無くてはならない存在です。

それが小学校に入った途端、遅くとも午後3時には授業が終了します。

保護者が不在の場合、放課後に子どもがどこで過ごすかは選択肢が増えると共に悩みどころでもあります。

考えられる選択肢としては、

①自宅、②友達の家、③公設の学童クラブ、④民間の学童クラブ、⑤放課後子供教室、⑥デイサービス、⑦児童館、⑧学校の校庭、⑨公園、⑩公文などの習い事などがあります。

正直利用していない場所は存在自体をほとんど知らなかったので、利用者に聞いたりサイトなどで調べてみました。

以下で一つ一つ見ていきます。

①自宅

パターン(1)保護者が家にいない場合

保護者が就労等で家にいない場合です。低学年の場合は家に誰もいないという寂しさを感じることはあるかもしれません。

ただし、子どもは自由に過ごせますので、自分がやりたいことが明確ならば良い環境と考えます。

マインクラフトなどのテレビゲームをする子、本やマンガを読む子、テレビを見る子、インターネットにはまる子、レゴやぬいぐるみなどのおもちゃで遊ぶ子、はたまた勉強する子など様々でしょう。

保護者が日ごろから子どもとどのように接しているのかが重要かもしれません。

一切目的も無く毎日何時間もだらだらと時間を過ごさせては勿体ないです。

毎日15分は保護者が用意した本を読ませる、録画しておいたサイエンスゼロなどの子どもが興味を引くようなテレビ番組を見せる、学校のものとは別に保護者が購入した公文や学研の問題集を解かせる、毎日2時間きっちりテレビゲーム(悪影響のないもの)に熱中させるなど、何かを習慣づけるチャンスでもあります。

私は両親が共働きであったため、学校から帰宅後は試験前であろうが欠かさずテレビゲームを楽しんでいました。

中間試験等の試験前はストレスが溜まるので、3時間ほど光栄の「三国志2」をプレイし、その後昼寝してしまうというダメダメな生活を送っていたのを覚えています。

結局その習慣は抜けきらず、大学入試期間中もテレビゲームはやり続けていました。

パターン(2)保護者が家にいる場合

安全なだけでなく、子どもは安心して過ごせます。

保護者次第で子どもをいかようにも成長させることが出来ます。

例えば、毎日30分でも付きっきりで勉強させることが可能ならば、塾で過ごす三倍近い速度で何かを学んでいくことも可能でしょう。

また、子どもと一緒に図鑑を眺めたり、国旗かるたで遊んだり、家の前で縄跳びを教えたり、ドラゴンクエストウォークで地図の見方を教えたりと、時間があるのでいかようにも出来るところが保護者が家にいることの最大の強みです。

保護者が共働きであった場合は、週末ぐらいしかそのようなことは出来ないのですから。

「東大卒パパの家庭学習による2020年中学受験日記」

このブログのお子さんは家庭学習だけで相当なレベルにまで達しました。

保護者の努力は並大抵のものではないのでしょう。

https://profile.ameba.jp/ameba/kirajuken2020

:保護者が家にいないのであれば毎日ちょっとした目標(課題)があると良い。保護者が家にいるのであれば可能性は無限大。

②友達の家

自宅と似ていますが、一人で過ごすか友達と過ごすかの違いがあります。

③公設の学童クラブ

自治体が運営している学童クラブです。

少子化で小学校の教室に空きが出ているためか、小学校の中で開いている場所も多いです。

東京都のHPによると、

児童福祉法第6条の3第2項の規定に基づき、保護者が労働等により昼間家庭にいない都内小学校に就学している児童に対し、

授業の終了後等に児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る事業」

とのことです。

厚生労働所のHPによると、2018年度は1,234,366 人が登録し、全国に25,328 か所あるそうです。

また、東京都の平成29年度5月時点では、学校の余裕教室を活用している学童クラブは約55%です。

総務省のHPには2018年度に小学生の数は636万人とありますので、おおよそ5人に1人が利用していることになります。

ちなみに学童クラブは定員オーバーで、登録は結果的に1~3年生が中心(約93%)となっています。

93%という数字を考えると、4年生以上の利用は期待しない方が良いかもしれません。

学童クラブでは学校と同じように出欠確認するだけではなく、学習の時間、外遊びの時間、おやつの時間、昼寝の時間、お当番制など、育成に力をいれています。

保護者としては安心して任せられます。

ただし、勉強をさせたり、何かを学ばせるための場所ではありません。

学習の時間はあるものの、スタッフが学校の先生と同じように勉強を教えてくるるわけではありません。

あくまでも自学自習ですので、成績アップや能力向上を目指す場所ではありません

成績アップを目指すならば公文の方が間違いなく上です。

また、子ども一人あたりの面積は1.65㎡以上が望ましいとガイドラインで定められています。

小学校の教室をイメージして、それなら安心と思うかもしれません。

しかし小学校の教室は子どもたち全員が席に座って同じ方向を向き、先生の授業を聞くことを前提としていますが、

学童クラブや放課後子供教室は子ども達一人ひとりが教室内を自由に動き回ります

全く環境が異なります。

そのため、小学校では先生一人に対して子ども30人程を見ることが出来ますが、

学童クラブや放課後子供教室では同じ子どもの数でもスタッフはその3倍は必要なのです。

ちなみに、面積が定められているということは、待機児童の問題に繋がっています。

また、学童クラブは、教室によっては支援が必要な子どもをスタッフを増員することで預かってくれます。

午後7時まで開いている所も5割以上あります。

共働きの保護者にとっては強い味方です。

管轄が文部科学省ではなく厚生労働省のため、

ただし、帰宅時は暗くなっています。

低学年の場合は安全性を考えて迎えに行った方がいいでしょう。

:保護者が家にいない低学年の場合は、安心を考えてまず第一に利用を考えてみるのが良い。ただし、公設の学童クラブに期待は禁物。

④民間の学童クラブ

学童クラブは公設のものだけではなく、民間が開いているものもあります。

民間なので場所は学校の敷地外となるため、専用バス等で送迎してくれるところが多いと思います。

民間の学童クラブは費用がかかります。

送迎サービスを利用すると月額5万以上はかかる覚悟した方が良いでしょう。

それでも公設の学童クラブと比較すると、英会話学習に力を入れていたり、プログラミングや水泳指導、夕食サービスまで行っている教室まであります。

夜10時まで開いているところもあるようです。

保護者が帰宅するまでの間、子どもがただ目的もなく時間を過ごすのではなく、何かしら学んでもらいたい、成長してもらいたいと考えている場合は良いでしょう。

3年生の3学期に始まる中学受験塾の前段階として利用している保護者も多いと想像されます。

週5日通わせたいけど費用負担が気になる、という方は、民間の学童クラブや習い事と組み合わせて利用しても良いのかも知れません

:お金は掛かっても子どもに何かを学ばせたく、さらに長時間預かってもらいたいならばこれ一択。

⑤放課後子供教室

 東京都のHPでは

「原則として全ての区市町村において、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用して、子供たちの安全・安心な活動拠点(居場所)を設け、

地域の人々の参画を得て、子供たちとともに勉強やスポーツ・文化活動、 地域住民との交流活動等の取組を実施することにより、

子供たちが地域社会の中で、心豊かで健やかに育まれる環境づくりを推進するもの」

と説明されています。

学童クラブと非常に似た印象ですが、開催日時は各自治体や学校によって様々で、週一回程度しか開いてない場所もあるようなので、

必ずしも学童クラブの保管的位置づけとなるわけではありません。

学童クラブのように育成を目的にしてるわけではなく、あくまでも子どもたちが自由に過ごす場所が基本のようです。

実施個所のうち7割が学校内の教室を使用して開催されているとのことで、児童館が学校の中にあるといった印象でしょうか。

開催時間についてまとめたサイトが見つかりませんでしたが、いくつかの自治体のHPを見てみると、

5時まで開催といったところが多かったです。

:学校の中にある児童館といった位置づけのよう。学童クラブと異なり自治体によって開催時間や日数は異なる。

⑥放課後等デイサービス

Wikipediaによると、

「児童福祉法を根拠とする、障害のある学齢期児童が学校の授業終了後や学校休業日に通う、療育機能・居場所機能を備えた福祉サービス。

障害児の学童保育」とも呼ばれる」

とのことです。

費用は月額の上限が決まっており、世帯所得が890万円程度までは何度通っても月額4600円、それ以上だと37200円とのことです。

ただし、施設によって預けられる日数が異なっていたり、送迎サービスの有無、プログラム内容の差があるので、子どもの特性に合わせた施設に入れるかが重要のようです。

学童クラブや放課後子供教室では子ども一人ひとりに合った対応は出来ませんし、特性のあるお子さんだとそこで長時間過ごしても辛い場合もあるでしょうし、成長にも繋がらないため、学校などから放課後等デイサービスを勧められることもあるでしょう。

:その子の特性にあった施設を見つけられるかが重要のようです。

⑦児童館

Wikipediaによると、

「児童館は児童(児童福祉法上0歳〜18歳未満の子ども)に健全な遊びを与え、その健康を増進し、または情操を豊かにすることを目的として設置される屋内型児童厚生施設。屋外型児童厚生施設は「児童遊園」という。

児童館にはその種類によって、集会室、遊戯室、図書室、静養室のほか、育成室、相談室、創作室、パソコン室などが設けられており、専門の指導員(児童の遊びを指導する者、かつての「児童厚生員」に相当)によって季節や地域の実情などに合わせた健全な遊びの指導が行われている。

地域の実情に応じて、子ども会や母親クラブなどの地域組織活動の基地としてその育成指導を行うとともに、放課後児童クラブ(放課後児童健全育成事業、いわゆる学童保育)を併設することもあり、地域の子育て環境づくりや放課後児童の居場所づくりを担っている。」

とのことです。

⑧学校の校庭

学校によって解放しているかどうか異なるようです。

解放中は学校の先生や外部スタッフが見守ってくれるのでしょうか?

過労死ラインで勤務が当たり前と言われるような小学校の先生が、放課後にさらに見守りをしてくれるとは考えられません。

⑨公園

学校の校庭解放と同じく、大人の目が届く場所ならば良いですね。

将来的には各学校ごとに警備員が配置されるとさらに安心だと思うのですがどうでしょう。

学校の先生はあまりにも忙しく警備までできないでしょうし、学校には門があるとは言っても誰でも乗り越えられますし。

⑩公文などの習い事

高学年になると定員上学童クラブには入りづらくなるということと、毎日学童クラブで過ごしてもつまらない、耐えられないという子どもが増えてきます。

高学年なので家などで自由に過ごすことも出来るようになっていますが、保護者としてはただ過ごさせるのは時間がもったいないと考えると、選択肢として長時間過ごすことができ、なおかつ勉強まで教えてもらえる塾が上がってきます。

そこそこの月謝はかかりますが、科目を算数と国語だけなど選択すれば、週に2日は過ごせます。

中学受験における算数の考え方は、仮に受験しなくてもその後の人生で意外と使えるので良いのかと思います。

 

長々と書いてきましたが、放課後を午後3時から午後6時までの3時間と考えると、

大雑把ではありますが、一年間で3時間×250日=750時間もあるんですね。

書いてみて自分でも驚きました。

自分の子どもには出来るだけ有効に使ってもらいたい時間数です。

夏休みなどの一日を考えると上記の時間はもっと増加し、年間1000時間に達するのではないかと思います。

 

 

こんな記事も書いています。

▼塾を舞台にしたマンガですが、

放課後の居場所がない子どもたちの現状まで描いているところが秀逸です。

「二月の勝者」5巻のあらすじと感想:放課後の居場所を得るのもカネ次第!

▼募金した子どもが楽しめるという見事な仕組みです。

子どもたちが遊びながら募金する楽しい仕掛けがある募金箱

▼「おかあさんといっしょ」などのコンサートを見ると、

子どもたちも一緒になって歌って踊っていますね。

子どもをコンサートに連れて行きたかったが、未就学児お断りばかりなのに気付いた