2020年度東京都で認可保育所の定員増加率が高い自治体

10月11日の日経新聞による記事や、そこに掲載されていたQRコード先からの引用です。

2020年4月の保育所の定員増加数について、世田谷区は1387人、杉並区は1047人、大田区は1300人、江東区は1400人程、足立区は1687人、目黒区は1094人と大幅に増加するそうです。

「なぬっ、一つの自治体で1000人越え!?」

我が目を疑いました。1000人ということは保育所で言うと何個分なんでしょう。仮に一か所で100人としても10か所ですよ!

世田谷区は現時点でも2万人近い定員ではありますが、それでも待機児童が発生している状態です。しかしここ数年、毎年のように定員を増加させていることから、自治体の本気度が伝わってきます。

「うちはもう関係ないが、頑張れ自治体!」

保育士の人材不足が保育の質低下を招く可能性が高い

保育士の有効求人倍率は2018年度は東京都で5.54倍となっており、単純に考えると1人の保育士は5か所以上の保育園から一つを選ぶことが可能となっております。

「就職に関しては勝ち組じゃん!」

東京全体の有効求人倍率が2.1倍程ですので、いかに保育士が不足しているかが分かります。その状況下で保育園を増加させるわけですから、さらなる保育士の取り合いが予想されます。

ちゃんと職員に給料を支給し、働きやすい職場づくりをしている保育園は良い保育士を採用できるでしょうが、残念ながらそうでない保育園もあるでしょう。

定員という量を取るか、保育の質を取るか

現時点では各自治体は保育所の定員増加を第一に考えていると思います。実際問題として量と質の両方を求める場合、膨大な税金を保育所運営の費用に充てる必要があります。

しかし私たちは「安い税金で多くのサービス」を自治体に求めます。民間でさえ安い費用を払って良いサービスを提供することは不可能です。

例えば海外旅行に行くとき、格安のツアーでビジネスクラスや5つ星ホテルを期待するのは不可能ですよね。人材不足ということで、お金を出しても5つ星ホテルに宿泊できないかも知れません。

「そもそも格安旅行しかしたことないし~」

そんなこと言わないでください。

保育所は質が低すぎたら安全性に関わるので重要なのです。

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