「必要は発明の母」 追い詰められた状況の時ほど業務改善が図られる

先日、ちょっと腹痛が続くため、主治医の診療所へ行きました。

すると「おそらくAという病気だろうが、ここでは明確に判断できない」ということでした。

そこで一駅分ほど離れたところにある診療所(以前にも受診、評判も良い)に、事前に電話で病状を伝えたうえで行ってきました。

診断の結果、「腸の働きが悪いみたいですねえ。Aではないでしょう」と説明され、処方された整腸剤を飲み続けていましたが、少しずつ体調が悪化してきました。

このままだといつまで経っても状態が回復しないと不安になり、総合病院へ向かいました。

まずは受付で病状を聞かれ、外科に回されました。そしてCT等を受けることになりました。

CTの機械はGE製だった

ベッドに仰向けに寝転がっていると、円筒状の機械が身体を包み込むように移動してきます。そのときふと目に入ったのが、機械に描かれた「GE Healthcare」の文字でした。

GEというのはアメリカのゼネラル・エレクトリック社のことで、元々は発明王エジソンが作った会社です。昨年、業績不振から、これまで100年以上続いていたダウ構成銘柄から外れました。

エジソンのように働いたら子育てなどできない

今回、エジソンについて詳しく知らなかった私はWikipediaで調べてみました。するとエジソンは1日16時間も研究に費やしていたそうです。睡眠時間を削ってまで働いていたわけです。そこにはワークライフバランスなんて言葉は存在しません。

週刊東洋経済新春合併特大号の中で、GEジャパン社長兼CEOの浅井英里子氏は働き方についてのインタビューで以下のように答えています。エジソンと浅井氏では状況は全く異なりますが、対比がちょっと面白いので載せます。

子育てしながら働くことは本当に大変。100%の力では働けない。80%でいいから、その中で納得いく成果を出そうと考えた。」

「人生も仕事もマラソンのよう。時には速度を落とすことも必要だ。」

共働きで小さい子どもがいる場合、100%の力で働くのは絶対に不可能ですね。保育園の送迎、通院、食事の用意など。

私は子どもが入院して病院に2日泊まりこんだ直後、職場で仕事の遅れを指摘されて腹が立つどころかショックを受けたことがあります。

一時的にでも代わりの人員を配置できないような体制は人事面での過失ですし、そもそもその内容で注意すべきではないでしょう。

追い詰められた時や大きな変化の時にこそ業務改善が図られる

エジソンは発明王として有名ですが、発明という言葉から、私は「必要は発明の母」ということわざを思い出します。このことわざは、発明だけではなく仕事にも当てはまるものでしょう。

私の経験上、業務量が多すぎて回らなくなった時や、業務上の大きなトラブルがあった時ほど業務改善が進みました。業務で困っていることが無い時は改善される力は弱く、仮に自分が改善しようとしても上司までその力は届かないでしょう。

例えば、時給980円でアルバイトを採用していたとして、時給を1000円まで上げて欲しいという現場の声を何件も聞いたとしても、人事担当は人が足りている状態ではなかなか時給を上げることはないでしょう。

しかし昨今の人手不足でアルバイトが条件の良い会社へ次々に移り始めた場合、または新規の応募が減少した場合は業務が回らなくなってしまうため、人事担当は時給を1000円どころか1100円まで上げて優秀な人材確保に力を入れ始めるでしょう。

また、私は以前、仕事が終わらなければ残業すれば良いと考えていましたが、子どもができて状況が一変し、いかに残業しないで業務を終わらせられるかと考えるようになりました。子どもが大きくなった頃には、さらに両親の介護が待っているでしょう。

エジソンのように四六時中業務改善を考えているのは難しいですが、私の場合は追い詰められた状況だったからこそ、常日頃から業務改善を考える癖がつくようになりました。

ですからもし今何かに追い詰められているとき、今だからこそ改善を図るときであり、改善しやすい状況なのかも知れません。

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