1回勝負の選挙でいかに新人立候補者を評価して投票すべきなのか

テレビで選挙結果を放送しているとき、若い候補者を見てふと思いました。「新人が立候補したとき、どうやって評価すべきなんだろうか」と。

ドラゴンクエストでは初めて出会った敵を前にこう考えます。こいつはどんな特技を持っているのか。どんな呪文を唱えるのか。攻撃力は高いのか。弱点は何か。あらゆる想像や注意をしながら戦い始め、何度か戦闘を繰り返しているうちに実像が明確化されるわけです。新人立候補者も同様に、所属政党、履歴、マニフェスト、見た目、年齢等を総合的に分析するわけです。

選挙は1回勝負だが、ドラクエは何度でも同じ敵と勝負できる

しかしよくよく考えてみると選挙は一回勝負です。ドラゴンクエストのように同じ敵と何度も戦闘を重ねて分析を繰り返し、相手のことを見極められるわけではありません。しかも一度選挙が終わると次の区議会議員選挙は一般的に4年後となります。有権者にとって見知らぬ相手に4年間も自分たちの税金等を委ねるリスクが大き過ぎるのです。

新人は議員としての実績がないために、どうやっても将来住民にもたらしてくれる成果をその時点では評価しようがないのです。そう考えると、現職候補は有利な立場にあります。よほど失策しなければ、実績も知名度もあるため、簡単には落選することはないでしょう。

採用面接でも同様です。履歴書と数回の面接でその応募者のことを全て理解することはもちろん出来ません。それでも面接を重ねることで100%は無理でも70%ぐらいは理解できます。

例えば、これはあくまでも私の持論ではありますが、ドアを開けてから着席するまでの立ち居振る舞いだけでも判断出来ることは多々あります。ノックをしたか、ドアを開けたときに目を合わせたか否か、一礼したか、一連の動作は謙虚か横柄か、自身がありそうかなさそうかなど、その十秒ほどの間で最初の分析(判断)をしています。実際に仕事が出来るかどうかは別として、面接で性格だけならある程度の確からしさで判断出来るのではないでしょうか。

しかし候補者演説では一方的に政策を主張するだけです。基本的に有権者からの質問は受け付けていません。「私は高すぎる介護保険料を下げます!」と主張していた候補者がいましたが、増加し続けるあれだけの莫大な費用をどうやって下げるのでしょうか?

①その自治体の借金で将来世代に負担させる ②税金を上げて賄う ③介護関係者の受け取り分をさらに減らす ④介護を受けさせない

いくつか考えてみましたが全て不可能ですね。介護保険法により自治体の負担比率は決定しています。もし立候補者同士の討論や有権者からの質問があったならばどのように回答したのでしょう。

介護保険法

(市町村の一般会計における負担)

第百二十四条 市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護給付及び予防給付に要する費用の額の百分の十二・五に相当する額を負担する。

2 第百二十一条第二項の規定は、前項に規定する介護給付及び予防給付に要する費用の額について準用する。
3 市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、介護予防・日常生活支援総合事業に要する費用の額の百分の十二・五に相当する額を負担する。

4 市町村は、政令で定めるところにより、その一般会計において、特定地域支援事業支援額の百分の二十五に相当する額を負担する。

私はマニフェストに関しては実現性、特に財源の問題をきちんと裏付けまで含めて説明しているかに注視しています。そういうわけで「私は高すぎる介護保険料を下げます!」とだけしか主張していない立候補者には投票しません。実現性はともかくせめて介護保険法の改正まで挙げてくれていたら納得するのですが。

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