上司との定期面談は成長の機会です。活用しましょう

入社試験での面接を覚えているでしょうか。

就職氷河期には何十社受けても内定をもらえず、面接が嫌になった経験をされた方が多いと思います。

私もそのうちの一人で内定をもらえない日々が続きました。自分の僅かな能力をどう面接官に伝えればいいのか、毎日のように考えました。

やがて、面接で上手く話せなかった内容は紙に書き出し、どう伝えるべきだったのか毎回反省しました。

その繰り返しにより、1か月もすると自分が話す内容は大きく改善されました。

会社に入ってからも面談は重要

それほど面接対策をした私ですが、会社に入ると打って変わって上司との定期面談には力を入れませんでした。

「こんな面談は何の意味もないだろう」「面談で何か変わるのか」と考えていました。毎回適当にやり過ごしていました。

しかし実際はそんなことはありませんでした。

いま考えてみると貴重な機会を何度も逃したと後悔しています。昇進ができない理由はそんなところにもあったのかも知れません。

そこで今回は上司との面談をいかに有効に活用し、自分の成長に繋げていくかをお伝えします。

上司との面談は準備をして全力で行うこと

私は以前は「特に言いたいことはありません」という態度で、面談は常に3分以内で終わっていました。

ひどいときには30秒で終わったことがあるのを覚えています。上司も上司ですね。

定期面談時に提出する報告書があるのですが、現在の仕事内容をさらっと数行書くだけでした。余白の方が多いぐらいです。

そんな私でしたが、ある上司との出会いをきっかけとして変わりました。

その上司は私の数行の報告書に対して、その数倍もの分量で私の仕事ぶりに対してまとめた上司所感を返してきたのです。

しかも部下全員に対してです。

さすがにそのときは驚きました。ただでさえ忙しい上司が、何も得にならないのに、部下全員にそこまでしてくれたのです。

しかもその内容は的確で、どうしたら私が成長できるのか親身になって書き込んでありました。

さらに面談も20分ほどの長さになり、仕事のことだけではなく家族のこと、健康のことまで及びました。

聞いてもらえると嬉しくなるもので、私も様々なことを話したのを覚えています。

それ以降、私は報告書をまるで上司に対抗するかのように、余白が無くなるほど書き込むようになりました。

夏休みの日記も業務報告書も同じ。丁寧に書いた方が良い

例えば、小学生が夏休みのとある一日の日記を書いたとします。「今日はセミを捕まえました」

一行日記です。夏だなと感じるぐらいですね。まるでかつての私の業務報告書です。

しかしそこから一歩進んで「今日は網でクマゼミを捕まえましたが、可愛そうなのですぐ逃がしました」と書いたなら、よりよく伝わります。

さらに進んで「今日は夏中探していたクマゼミをついに神社で捕まえました。なかなか見つからなかったため、探す時間や場所を変えて17日目でした。セミは地上で20日程しか生きられないため、父のスマホで撮影したあと空に逃がしました」と書いたとします。

この子はよく考えているな、クマゼミを取るため工夫したんだな、と先生は思うでしょう。二重丸をつけてくれるはずです。

長く書けば書くほど当然のように細部まで描写する必要があり、相手にとって分かりやすい表現となります。

上司への報告書も全く同じです。数行で終わらせず丁寧に書くことで、上司に対してだけではなく、自分自身が仕事見直す機会となります。

頭の中だけではなく、紙に書き出すというプロセスが重要です。

また、その業務の目的改善案なども含めて記入すれば、より良い報告書になり、何度も見直すことで仕事が脇道にそれることもなくなります。

新しい仕事の開始前に、終わるイメージまで想定してから始めること

ところで、新しい仕事を始める前に、その仕事の収め方まで考えているでしょうか。

「この仕事はまずこのように準備し、このような流れを経て、最終的にこのような形で終わらせる」

事前にそこまで考え、さらに進めている間も適宜修正を加えていけば、最終的に大きな間違いなくゴールまでたどり着くはずです。

業務を行う前に結果まで「想定して」報告書を書いてみましょう。

最終的なゴールから逆算して途中経過を考え、現在まで遡りながら報告書を作成するのです。

逆に言うと、そのような形を取っても良い報告書が作成できなければ、その仕事は成功しない確率が高いでしょう。

霧の中を手探りで進みながら仕事をしていくようなものです。

上司との面談は年に1回はあると思います。そのときだけでもいいので、面談と報告書を成長の機会ととらえて活用し、自分の仕事を振り返りましょう。

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