銃を頭に突きつけられたことがあります。
相手はジョークのつもりでしたが、私の身体は完全に硬直しました。
もう20年ほど前の話です。
私はエア・インディアの格安チケットを手に入れ、日が暮れたインディラ・ガンディー国際空港へ降り立ちました。隣の席の日本人と知り合い、町の中心部まで一緒に移動しようということになりました。
もう夜ということもあり、定額料金で目的地まで確実に送り届けてくれるプリペイドタクシーを使用しました。決して安くはありませんが、初めてのインドですし、公的なタクシーならば安全と考えました。
インドでは公的なタクシーでも危険。安全なのは日本で契約したツアー
両替を済ませ、チケットを購入し、タクシー乗り場へ行くと、20人ほどのインド人が待っていました。どうも客引きのようです。
私たちが歩くとみなぞろぞろと付いてきます。空港を出てすぐなのにもう危険を感じます。
その中でヒゲを生やした一人が声をかけてきて、私たちが購入したチケットを眺めました。そしてこっちに来いと一台のタクシーに案内し、自分は助手席に乗り込みました。
そのときは公的なタクシーということもあり、何の疑問も持たず安心していました。
夜の道路は砂が待っているのか視界が悪く、ライトに照らされた街並みは茶色く映し出されていました。車内からそんな景色をぼうっと見ていたのを覚えています。
インド旅行、到着後1時間以内に知らない土地へ連れていかれた
さて、タクシーは大きな通りをそれ、少し走った所で止まりました。助手席に座っていたヒゲのインド人が何かを言いましたが、何を言っているのか分かりませんでした。
外を見ました。暗いのでいまいち分かりませんが、泊まる予定の格安ホテルではないようです。
言葉が通じないため、ジェスチャーを頼りにひとまずヒゲのインド人に付いていくと、そこにはおとなしそうなインド人が数人いました。
しばらくすると、どうやら私たちにツアーを組むよう言っていることが分かりました。
私はツアーに参加するつもりはありませんが、ひとまずふんふんと話を聞いていました。するともう一人の日本人がこんな所出ようぜと言い出し、ヒゲのインド人とやや押し問答になりました。私も顔を軽くはたかれました。
はっきり覚えていないのですが、お互い言葉が上手く伝わらない状態だったと思います。
そのうち相手も諦めたのか、それならホテルだけ案内すると言い出しました。当たり前でしょう。タクシー代を払っているのですから。でもここでは当たり前ではないようです。
インドにて居所不明
連れていかれたホテルは案の定、当初予定していたホテルではありませんでした。どうしたものかと、もう一人の日本人と相談しました。
1.私たちは今どこにいるのか分からないこと。
2.夜間であること。
3.怪しいインド人に連れてこられたこと。
以上の3点から、これ以上揉めるのは危険と判断し、今日はそのホテルで宿泊することにしました。
値段を聞くと日本円で1500円ぐらいだったと思いましたが、フロントで交渉して3割位下げさせました。もしかするとそれでも高かったのかもしれませんが、フロントのインド人はヒゲのインド人に比べると随分とおとなしそうな人でした。
部屋は特別悪い部屋ではなかったです。いいわけでもありませんでしたが。
銃口を頭に突きつけられたら硬直した
さて、その翌日のことです。私は朝7時くらいに起床し、一人で部屋を出て階段を下りていきました。昨日は夜だったので、ホテルの周囲がどのような所か確認したかったのです。
フロントへ行くと、昨日交渉した受付の人がいました。カウンターの上で何かを磨いています。よく見るとそれは銃でした。
「えっ、本物!?」
私は驚きながらもカウンターの方へ寄っていきました。
聞いてみると本物の銃で、強盗対策として普段から用意しているとのこと。インドは一般人が銃を所持していないと思っていたので、意外に感じると同時に、これからの2週間の旅行に不安も感じました。
衝撃的瞬間
そのとき、その受付の人が、笑いながら私の頭にその銃を突きつけたのです。
まるで映画の一コマのような状況です。相手は笑っています。大きなホテルではありませんが、フロントなので宿泊客も通ります。すぐ外には人の往来もちらほら見えます。
冗談なのは分かります。その受付の人は見た感じいい人そうです。でも私は本当に一切身体を動かせません。硬直していました。銃口が額に当たっている感触が私に動くべきではないと錯覚させ、そのような状態に陥ってしまったのでしょう。
VRは現実の精神に影響する?
先日、VRで斬首された人が、しばらくの間本当に身体に異常をきたした、という記事を読みました。非常に興味深い内容です。それだけVRという物の完成度が高いのでしょう。
https://twitter.com/Benishoga_2/status/1054426610022010880?s=19
私が銃を頭に突きつけられたのはほんの数秒でしたが、リアルな状況でしたらそれだけで失神する人もいるでしょう。
VRによる精神への影響は計り知れない
例えば、VRを使って銃を撃つ訓練をするとします。VRなので実際に射撃をするわけではありません。本物の銃も必要ありません。リアルさを追求するため、VR上に展開される実在の都市などで射撃練習をするわけです。
さらに戦闘訓練もできるでしょう。相手もいます。相手は建物の陰に隠れながら射撃してきます。撃たれた人はその場で訓練から離脱です。
その状況があまりにもリアルだった場合、射撃された人は、身体または精神上に影響が現れるのでしょうか。
その状況が何度も積み重なった場合、どんな影響が身体または精神上に現れるのでしょうか。
強いストレスは精神だけではなく身体にも影響します。そうならないためにも、いざというときのためにも、誰もが常日頃からストレス対処法を学んでおくべきです。義務教育で教えてもいいと思います。
私が研修で学んだことですが、自分がコントロールできるもの、できないものに分けて考え、コントロールできるものに集中する、という考え方を私はいつも心がけています。
これまで宿泊した部屋の思い出:
1.窓ガラスがなく廊下から出入り自由。(タイ)
2.改装中で室内にブロックが積んである。カーテンもなく当日は雷。稲妻がまぶしく部屋をチェンジした。(ラトビア)
3.幻聴が何度も聞こえてしまう。(香港)
こんな記事も書きました。
▼香港に一人で滞在中、生まれて始めて幻聴が聞こえてきました。いや、そもそも幻聴だったのか?
香港のホテルで夜中に幻聴が聞こえてきた話
海外一人旅に行けなくなったので、ゲームで旅する気分を味わっています
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