なぜ仕事ができない上司(管理能力がない)がいるのか考えてみた

どうも。

40代平社員です。

今回は仕事ができないのにどうして上司になれる人がいるのか、という話です。

昼休みのランチで同僚と良く話題になる内容として、以下のようなものがあるでしょう。

「あの上司、全然部下の仕事が把握できないの」「あの上司、仕事が遅くて方向性が全然決まらない」「あんな性格悪い上司の下では働きたくないよ」

どんな上司の下で働くかによって私たちサラリーマンの人生は大きく変わるといっても過言ではありません。

仕事ができない上司の下についてしまったなら「転職しろ」だとか「会社を辞めて独立したら?」と簡単に言う人がいます。

しかしそんな簡単に会社を離れられるものではありません。転職しても同じような上司はいるでしょうし、独立しても成功するとは限りません。

不満があったとしても、耐えてその上司の下で働かざるを得ないわけです。

そのうっぷんをはらすため、上司が帰宅後に上司の椅子に座って、

「キミ、仕事がまた遅れているじゃないか。気合いが足りないんだよ」とか、

「あのさ、あの件のあの方向性はあれだよな。あれでいいんだよな」とか、

「Zoom? そんなもの知らん! ズームと言ったらズームイン!」などとしょうもない上司の真似をして同僚を笑わせるしかないわけです。
 
さて、どんな会社であれ無能な上司は一定数いるでしょう。でもなぜ優秀ではないのに出世できたのでしょうか?

今回はそんなテーマで色々と考えてみました。

管理能力がある人が上司になるわけではない

結論から言いますと、必ずしも管理能力がある人が上司になるわけではありません。「いきなり何を言っているんだ」と思われるかもしれませんが事実です。

例として、以下のような部下Aがいたとします。

〇 一人でバリバリ仕事を進める。

〇 知識も豊富。

× 計画的に仕事を進めるのが得意。

〇 上司との関係性が良い。

× 多くの同僚に好かれている。

これだけの条件を見ると、上司としては「Aは優秀だなあ」と思うのではないでしょうか。特にバリバリ仕事を進める部下は優秀に見えます。

私が上司ならこんな部下が欲しいです。計画性の無さは上司がカバーすれば問題ありません。他の同僚に好かれなくても一人でできる仕事を任せればいいわけです。

特に上司との関係性も良ければ、他の部署に手放したくないと思うはずです。自分が異動したらAも引っ張っていこうと思っているかもしれません。

優秀だと思われていれば出世する(してしまう)

やがてAは出世し管理職となりました。上司に高く評価されていたので当然なのかもしれません。

その後どうなったか。

Aが管理職となった組織は混乱し始めます。組織全体が上手く回らなくなりました。管理職となったAはここでもバリバリ仕事を進めました。決して手を抜いていません。

他の部署から見ると、やっぱりAの仕事ぶりは凄いなと思うかも知れません。そのため、その組織の混乱は他の部署からはこのように見えました。

仕事ができるA課長が管理職でしょ。あの組織が上手くいってないのは部下が悪いんだよ」と。

上司と部下では求められている能力が異なる

しかし状況は以前とは異なります。Aは部下ではなく上司としての立場です。仕事で求められている能力は平社員とは異なります。

今度は「組織全体をいかに上手く回すか」が問われます。管理能力が求められます。一人でバリバリこなすだけでは回りません。

繰り返しになりますが、Aには計画性という能力が不足していました。平社員としては優秀でしたが、管理職としては優秀ではありませんでした。

元の上司がこのAを「部下としても管理職としても優秀だろう」と判断した、またはそこまで考えていなかったのが間違いでした。

管理職は長期的視点を持たなければならない

経験がある方もいると思いますが、仕事を引き継ぐと前任者の仕事のレベルがよく分かります。

「おいおい、あんた今まで何をやってたんだよ!」「契約書はどこだ。どこにもないぞ!」「このハートのキーホルダーが付いた合鍵は何だよ!」

知られていなかった前任者の低レベルな仕事ぶりに腹が立つこともあると思います。

「何を目的に仕事を行っているのか」

当たり前過ぎる内容ですが、これができていない人が多いです。平社員ならまだしも、管理職ですらできない人がいます。

ここが明確でない場合はズバリ「仕事ができない人」と判断して良いでしょう。

管理職になるぐらいなので船の漕ぎ方は知っています。しかしどこに向かうのか決められないまま出向すると漂流してしまいます。

一緒に船に乗らざるを得なかった部下たちまで犠牲になります。

出世する人の3つの条件

出世する人の条件です。

1 昇進試験が得意だった。

2 管理運営能力は無いが、部下としては優秀だった。

3 上司に気に入られていた。

1「昇進試験が得意だった」はよくあることですが、はっきり言って無意味です。

「試験に強い人」≠「管理能力が高い」です。

昇進試験で良い点数を取るのは勉強が得意な人です。または勉強時間を確保できる部署の人です。

残業が多い人、子育てで忙しい人が試験に時間を費やすことはできません。

2「管理運営能力は無いが、部下としては優秀だった」は先ほどの例で挙げた社員Aと同じです。

管理能力が無いのであれば昇進させてはいけません。

3「上司に気に入られていた」も管理能力が高いかどうかは関係ありません。

能力とは関係ない評価なので、一番最悪な選考かもしれません。

上に挙げた3つともよくあるパターンだと思います。そんな人ばかりが出世する会社であったら、本気で転職も考えた方が良いでしょう。

▼以前に書いた記事です。

昇進試験、また落ちました。(6回目)給料も上がらなくなってきて、モチベーションはどうすれば保たれるのか

どうすれば管理能力がある人を選べるのか

部下の出世について上司が判断してしまうと、どうしても私見が入ってしまいます。

誰だって自分の部署から昇進する部下を出したいと思うでしょう。それは仕方のないことです。

そうならないための理想は、人事部が全社員の能力を完全に把握することです。常日頃から情報を集め、管理能力等があるのかどうか判断することです。

人事部が時間をかけて情報収集していれば、ある程度は把握できるはずです。大きな誤りには至らないでしょう。

人事部の仕事は重要です。本当に重要です。採用しただけで放置は絶対に許されません。採用業務を担当したことがある人なら尚更そう思うでしょう。

だからこそ、人事部に配属される社員はエリートコースとも呼ばれる優秀な社員を集めているのですね。

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