他人が自分をどのように紹介するのか考えてみることで自分の理想とのギャップに気付き、現時点で不足している能力を明確化する

三月のこの時期になると退職者についての話題が上がります。誰が定年退職だとか、あの人は同業他社に転職するらしいとか、噂がいくつも流れてきます。

定年退職者の場合、社内報でちょっとした紹介文章が回って来ることがあります。そこで初めてあの人は○社からの転職組だったのかとか、元々あの部署にいてあんな大変な出来事を経験してきたのか、などが分かります。

将来、他人が自分をどのように紹介するのか考えてみる

そんな社内報を読んでいると、自分が定年のとき、どのように紹介されるのかと考えてしまいます。

「Aさん、平成3年に入社。審査部を経て人事部で職員採用を担当し、独自の面接メソッドを確立させることにより優秀な人材を多く採用。趣味は海外でのバス旅行で、バルト三国を周遊したことが一番の思い出。退職後は学生時代の友人が営むゲストハウスで、得意のスペイン語を使い観光案内するとのことです」

皆さんは退職する時にどのように紹介されたいですか。亡くなった時にどんな人だったと紹介されたいですか。

頭も身体も全力で仕事ができるのは50歳ぐらいまでだろうか

私は39歳になった時、翌年40歳になることを強く意識し、自分の人生はもう半分まで来た、自分の頭と体がしっかり回転しているのはあと15年程ではないかと強く意識するようになりました。

上司の姿を見ていてもそれは明確です。ほとんどの上司は50を過ぎるぐらいからおとなしくなっていきます。55を過ぎても活動的な人は少ないです。頭がしっかりしていても体力が落ちてきます。すると身体に引っ張られるように頭の回転にブレーキがかかるはずです。

朝、混雑した電車が入ってくる最寄り駅へと向かう人の列の中で、スーツを着た高齢者の姿を見る度に、もし自分があの年齢になったら現在のように仕事に積極的になるのは無理ではないかなと思うことがあります。

そこで残りの仕事人生をどのように過ごしていきたいのか考えてみました。すると社会人となってここまで20年弱を過ごし、その間に得た知識や能力は自分の理想よりかなり低いのではないかと思うようになりました。同業他社に転職した場合、自分の力では評価されないのではないかと思いました。

 先日、高校の同窓会に参加しました。卒業から20年以上経った現在でも、あの大学受験勉強のときの勢いのままに努力を続け、信じられないぐらいの高みに到達している友人がいました。あまり他人と比較してはいけないのかも知れませんが、さすがにそのときは自分を、努力してこなかった自分を卑下してしまいました。

ドラクエ3でレベル上げを全く意識せず、僅かレベル5で奇跡的にピラミッドまで到達してしまったときのことを思い出します。「逃げる」コマンドをひたすら駆使しながら辿り着いてしまったのです。こんな低レベルで来てはいけない場所だと理解できても、敵が強すぎてもう元のエリアに戻ることも出来ず、ミイラおとこ達が現れる度に「逃げる」コマンドを連打していました。いや、いくらその場で逃げられても、おそらくもうどうすることも出来ないのですが…。

もしかして人生もそれに似てるのでしょうか。30歳までに仕事の基礎を覚えなくてはいけないのでしょうか。40歳までには管理能力を習得しておかなくてはいけないのでしょうか。そうでなければ人生後戻りが出来ないので、会社人生においては「積み」の状態になってしまうのでしょうか。

ドラクエ3を「考えて」クリアした人はとっくに学んでいたでしょう。今更ながらそんなことを思った同窓会でした。ほんとに勉強になりました。行って良かったです。

現時点で不足している能力を明確化する

私は手帳に、退職時に他人が自分をどのように紹介するのかを”理想的”に想像して書き込んでみました。そしてそこから逆算して、今自分にとって足りないものは何なのかを明確に意識するようになりました。

例えば、自分が「訪日外国人相手に日本文化を紹介する仕事をした人」というように紹介されたいならば、今の自分は日本文化を説明できるだけの知識があるのか、外国人相手に最低限通じる英語力があるのか、仕事ではなくてもボランティアを進んでやっているのか、そのような組織に属しているのか、何かしらもうアクションを起しているのか、というように現在の自分にとって足りないものを逆算して挙げていきます。足りないものが明確化されれば後は実行するだけです。

この考え方は仕事だけではなく、どのような家庭を築きたいのか、どのように健康を維持したいのかと言ったことにも活用できます。その場合は退職時の紹介文ではなく、自分が亡くなったときの弔事でも良いですし、自分がWikipediaで紹介されている文章を想像しても良いでしょう。

また、現在の自分の能力がそもそも何かを見つめ直すためには、履歴書を書いてみるのも良いでしょう。自信を持って記入できる能力があるでしょうか。

こんな記事も書きました。

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